[原子力産業新聞] 2000年4月13日 第2033号 <6面>

[SHP] 意識調査、高レベル廃棄物「認識」は約半数

低い「安全」意識

高レベル事業推進準備会(SHP)はこのほど、1998年度に実施した高レベル放射性廃棄物処分についての国民意識調査を取りまとめ、会報誌に掲載した。この調査は、処分事業の推進には一般の人々の理解と協力が欠かせないことから、理解促進活動を図るため95年度から実施しているもので、沖縄県を除く国内に居住する20才以上、70才未満の男女を対象に調査を行い2,203人の有効回答を得た。

調査結果によると、高レベル放射性廃棄物について、「知っている」と回答した人は8.2%で、「多少知っている」(43.5%)と合わせても5割程度に止まり、社会全体の問題として認識されるには一層の努力が求められる。また地層処分について、「安全という印象を持っている」と回答した人は6.2%だったのに対し、「安全という印象を持っていない」は40.2%、「わからない」と回答した人は50%を超えた。さらに、地層処分について最も不安を感じる点としては、「地震や火山活動が心配」が20.8%でトップ。次に「地層処分についてよくわからないので何となく心配」(17.4%)が続いており、同準備会では「今後、地層処分の安全性について、国民の意識や認識を十分配慮した上で、よりわかりやすい説明が必要」と指摘している。回答ではその他、「地層処分を計画・実施する人がミスを犯さないといえないので心配」(15.6%)、「いま原子力発電を進めている組織を信頼できていないので心配」(15.0%)が続き、原子力全体への不信感もみられた。


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