[原子力産業新聞] 2000年5月11日 第2037号 <3面>

[ベルギー] 電気料金を引下げへ

2002年までに11%

ベルギーの国営電力会社であるエレクトラベル社は4月上旬、欧州電力市場の自由化にともない2002年までに電力料金を11%引き下げるという政府計画に原則的に同意したことを明らかにした。

この案は政府が毎週開いている会合で採択されたもので、ベルギーの平均的な電力消費者(3,500kWh程度)が年間に支払っている電気代2万7,000ベルギーフラン(約7万円)から2002年までに3,000フラン(7,650円)割り引くことが目標だ。政府では「社会のすべての人々、特に最下層の人々に益をもたらす大規模な合意」と表現している。

しかし、7基、約600万kWの原子力発電所で国内総電力需要の6割を賄うエレクトラベル社では、ベルギー国内の電力料金を近隣諸国並みに下げる条件として、国際競争上の歪みを引きおこしている電力価格差を是正するよう政府に要請。特に、現在21%徴収されている付加価値税(VAT)を諸外国並みの15%に下げれば、自然に年間平均で1,250フラン(3,188円)程度の料金引下げが可能だと指摘した。また、政府が勧告する3,000フランの値下げに従うには、欧州近隣諸国における電気代との比較でこの額が妥当と証明されることが前提だとも言明した。


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