[原子力産業新聞] 2000年5月11日 第2037号 <3面>

[フランス] フラマトム、総売上が53%増

「原子力事業に光明」

フラマトム社は4月20日、同社グルーブの99年決算で原子力を舎むエネルギーおよびコネクターの両部門において「勝利の年とも言える力強い成長」を収めたことを前らかにした。

同社のV.ビニョン会長兼最高経営責任者によれば、グループ全体の総売上げ高は42億1,000万ユーロ(4,336億円)に達し、前年実績からの伸び率は53%を記録したという。エネルギー部門の回復による5億1,700万ユーロを含めた合計の操業益も19億5,100万ユーロ(約980億円)に上っており、76%という驚異的な伸びを示す結果になった。

除外項目を差し引いた純益額は1億4,100万ユーロ(約145億円)で、これも前年度比53%の増加。同社グループ総売上高の54%を占めるエネルギー部門の売上げ高は43%成長し、22億6,000万ユーロ(約2,328億円)となっている。98年にペルグ・エレクトロニクス社を傘下に収めたコネクター部門でも成長率を16%伸ばしており、最終的な売上げ高は19億5,000万ユーロを記録した。

高収益の理由としては、昨年、150万kW級PWR(N4シリーズ)であるシボー1号機が完成して代金が支払われたほか、中国で建設中の広東嶺澳原子力発電所に圧力容器、加圧器、蒸気発生器などの主要機器を予定より半年早い昨年末に納入したことが挙げられるとしている。

同社はさらに、複数の国際機関や一般市民が地球温暖化問題や化石燃料の枯渇問題に対する原子力の効用に気づき始めていることから、原子力事業の復活と今後の見通しに明るい兆しが見受けられると指摘。こうした兆しは欧米の原子力発電所が昨年残した良好な運転実績や、今年3月に米国で初めて、60年までの運転認可延長が認められた事実からも裏付けられるとの見解を示した。


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