[原子力産業新聞] 2000年6月1日 第2040号 <3面>

[英国] BNFL、GCRの運転計画を公表

ヒンクリーポイントAは年内閉鎖へ

 英原子燃料会社(BNFL)は5月23日、同社が英国内で運転するマグノックス原子炉(8サイト、20基)の今後の運転計画を公表した。

 マグノックス炉は英国原子力産業界の創世記である50年代から60年代にかけて運転を開始した原子力発電のパイオニアとも言える存在。計画にはヒンクリーポイントA発電所(各32万1,000kW、2基)の年内の閉鎖など、マグノックス炉すべての閉鎖スケジュールが明確に示されており、同社幹部のN.アスキュー氏は計画公表の意図を「発電所従業員を始め、地元コミュニティなどマグノックス炉に関わる人々すべてに発電所の具体的な将来像を提供するため」と説明している。

 計画では2005年まで合計40年間の運転認可を得ていた前出のヒンクリーポイントA発電所が、改修費の増大など経営上の理由から今年中に例外的に35年で操業を終えるものの、その他7サイトの発電所は認可された40年から50年の運転寿命を全うする予定になっている。すなわち、ブラッドウェル発電所が2002年、ダンジネスA発電所とサイズウェルA発電所が2006年、コールダーホール発電所の4基が2006年から2008年にかけて、チャペルクロス発電所の4基は2008年から2010年にかけて閉鎖されることになる。

 また、オールドベリー発電所が2013年、ウィルファ発電所が2016年か2021年の閉鎖を予定されているが、BNFLではこれら二つが予定年まで運転を続けるかどうかについては、定期的な安全審査の結果に加え、新たな燃料の開発導入状況に左右されると指摘。その判断は2003年に下される見込みだと述べた。

 さらに、マグノックス炉の閉鎖にともない、BNFLではセラフイールドにあるマグノックス炉専用の再処理工場(B205)もすべてのマグノックス燃料の再処理を終えた時点で操業を停止するとの認識を明らかにした。閉鎖時期は2012年以降になると予想されている。また、スプリングフィールドにあるマグノックス燃料製造工場も2010年までには操業を終える見込みだと指摘している。


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