[原子力産業新聞] 2000年6月8日 第2041号 <5面>

[日本原燃] 六ヶ所再処理施設工事37%に

着実に進むサイクル事業

 日本原燃は5月9日、六ヶ所再処理工場の昨年度末工事進捗率が37%に達し、98年度末想定の30%を上回ったことを発表した。同施設建設は現在、最盛期を迎えており、最大135トンの大型機を始め、大小百余機のクレーン群が稼動している。

 同社は昨年4月、再処理施設の竣工時期を2005年7月に変更したことから、今後の工程管理強化に向け、「建設工事推進会議」の設置や原子力委員会への定例状況報告を行うなど、安全最優先かつスケジュールに沿った建設・運転の実現を目指している。今回の順調な土木関係工事の進捗は、冬季養生など工法のメリットや天候に恵まれたことによるものとしている。

使用済み燃料受け入れ・貯蔵施設については、昨年12月に科学技術庁長官から使用前検査の合格証を受領、同時に再処理事業開始の届け出を行った。

 今年度の主要施設の工事は、現在電源・監視制御盤据え付け中の制御施設の12月受電、前処理施設の溶解槽、せん断機のそれぞれ7、10月の現地搬入、年度内の主要機器据え付け完了、その他建屋も年度内完了に向け2〜4階の工事中で、分離・精製施設は主要機器の「パルスカラム」等の他、大型タンク類の現地搬入を冬までに終え、従事据え付けに入る予定。また、試運転中は現在計画の検討中で、02年度末から化学試験を開始する見通し。

 その他六ヶ所核燃料サイクル施設の近況だが、ウラン濃縮工場は現在、1,050トンSWU/年規模で運転中だが、最終規模の1,500トンSWU/年へ向けた高度化遠心分離器の導入、さらには次世代機の開発計画が進みつつある。

 低レベル放射性廃棄物埋設センターには今、1号埋設地にドラム缶18万本分が定置、続く2号埋設地も年度内に操業開始に向けて建設が急がれている。

 高レベル廃棄物貯蔵管理センターには既に、仏などから返還されたガラス固化体282本が貯蔵・冷却されており、固化体のピット内へのつりおろし作業も、遮蔽管理が施され床面走行クレーンを用いるなど、安全にも万全の配慮がなされている。

 PR施設も近年、館内のリニューアルや団体客用の建屋増設など充実しており、ゲームや映像を通じて核燃料サイクル・放射線について学べるようになっている。土・日曜にはバスツアーによる敷地内の見学もできる。見学の申し込み等は、六ヶ所原燃PRセンター(電話0175−72−3101)まで。


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