[原子力産業新聞] 2000年6月15日 第2042号 <1面>

[省庁再編] 経済産業省、資源エネ庁体制固まる

「原子力政策課」を設置

 中央省庁等改革に必要な政令が5月30日、閣議決定となったが、来年1月に発足する「経済産業省」の組織体制および業務内容などを規定する政令「経済産業省組織令」が2日、明らかになった。通産省から移行する同省は大臣以下副大臣、大臣政務官、事務次官、審議官、秘書官の下に大臣官房および、経済産業政策、通商政策、貿易経済協力、産業技術環境、製造産業、商務情報政策の六つの内部部局、また外局として資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁の3庁で構成される。原子力を統括するエネ庁は、長官、次長の下に長官宮房および、省エネルギー・新エネルギー、資源・燃料、電力・ガス事業の3部が設置される。なお現在のエネ庁長官官房審議官職は廃止され、本省の審議官のうちの一人が、エネ庁担当として業務に当たることとなる。加えて「特別の機関」として、「原子力安全・保安院」の設置も明記されている。通産省は現在、詳細を定める省令を、7月中旬の策定を目処に作成中だ。

 来年1月から新体制の下に発足する資源エネルギー庁は、現在の長官官房、3部(石油、石炭・新エネ、公益事業)、25課・7室体制から、長官官房、3部(省エネ・新エネ、資源・燃料、電力・ガス事業)、1機関、32課体制へと大きく改革されることにともない、人員も現在の650名から1,100名へと大幅に増員される。なお各部の定員などは省令策定後に詰められることになるため、現在は未定。7月下旬から8月までには決定される見込みだ。

 内部部局を見ると、エネ庁内の総務的業務などをつかさどる長官官房には、総合政策と国際の2課が設置される。また「省エネルギー・新エネルギー部」には政策、省エネルギー対策、新エネルギー対策の3課が、また「資源・燃料部」には政策、石油・天然ガス、石油精製備蓄、石油流通、石炭、石炭鉱害、鉱物資源の7課が設置される。

 電気、ガスおよび熱の安定的かつ効率的な供給の確保および電源開発、原子力政策・技術開発、核燃料物質に関する業務などを所掌する「電力・ガス事業部」には、政策、電力市場整備、ガス市場整備、電力基盤整備、原子力政策、核燃料サイクル産業の六つの課が設置されるが、このうち電力基盤整備課は電源開発に関する基本的政策の企画・立案・推進を担当し、また原子力政策課は@原子力政策に関することA原子力の技術開発B原子力にかかわる廃棄の事業の発達改善および調整C核燃料サイクル開発機構の組織および運営一般に関すること−を掌握する。さらに核燃料サイクル産業課は、核原料物質および核燃料物質の安定的かつ効率的な供給の確保や、エネルギーとしての利用に関する核原料物質および核燃料物質に係わる技術開発に関することを担当する。

 一方、特別の機関として設置される「原子力安全・保安院」は、院長、次長に加えて審議官および主席総括安全審査官が置かれることと定められた。同院の内部組織については省令で定められることから、現時点では暫定的なものとなるが、今のところ企画調整、原子力運転管理防災、原子力保安管理、原子力発電安全審査、原子力発電検査、新型炉等規制、核燃料サイクル規制、放射性廃棄物規制、電力安全、ガス安全、保安、液化石油ガス保安、鉱山保安、石炭保安の14課の設置が計画されている。


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