[原子力産業新聞] 2000年6月22日 第2043号 <3面>

[BNFL] 南アのPBMR開発に出資

将来オプションとして有望視

 英原子燃料会社(BNFL)は8日、南アフリカ共和国が進めているペブルベッド式モジュラー型原子炉(PBMR)開発プロジェクトに相当額の投資をすることになったと発表した。

 出資協定は南ア国営電力であるESKOM社および産業開発公庫(IDC)を交えた3者の間で調印されており、BNFLの出資総額は非公式で数百万ポンド(数億円)に達すると伝えられている。研究や革新的な技術の開発を主要な事業の一つとするBNFLとしては、同ブロジェクトヘの投資を世界的な規模で事業拡大の機会を探る将来戦略の一部と見なしている。

 同プロジェクトは今年4月、南ア政府から第一段階の実施許可を与えられ、詳細な実効可能性調査(FS)のほか、環境影響評価などが実施される予定。その後政府の認可が得られれば、実証炉の建設を2001年半ばまでに開始し、2005年までに営業運転を始める見通しだ。

 PBMRの概念は60年代から80年代にかけてドイツや米国を中心に研究開発された原型炉の経験に基づくもの。53m×27m×47m(高さ)という仕様で、1基当たりの電気出力は11万kW。炉寿命は40年を見込んでいる。モジュラー型の小型炉なので建設費が安く、送電網の届かない遠隔地域での立地や需要に応じた増設が容易という利点がある。また、固有の安全性があることから途上国でも利用できるとし、BNFLでは将来の原子力オプションとして非常に有望との見方を示している。


Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM,INC. All rights Reserved.