[原子力産業新聞] 2000年6月29日 第2044号 <2面>

[総合エネ調] 総合部会、分散型エネで意見聴取

送電ロス減少など有利

 総合エネルギー調査会の総合部会(部会長・茅陽一東大名誉教授)は23日、第3回会合を開き、前回に引続き有識者からの意見聴取および、原子力部会からこれまでの議論の中間報告を受けた。

 今回意見発表を行ったのは、内山洋司筑波大学教授、エイミー・M・ジャフィー米国ライス大学ジェームス・ベーカーIII世公共政策研究所エネルギー研究郡門長の2名。

 このうち「分散型エネルギー技術とその開発課題」を発表した内山教授は、分散型エネルギー技術を天然ガス(マイクロガスタービン、固体高分子型燃料電池等)、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電等)、未利用エネルギー(廃棄物発電等)と定義した上で、これらエネルギーの特徴として、長距離送電線が不要なために送電ロスが低減でき、また短期間で建設できることから、設備計画に柔軟性を持たせることが出来ると、そのメリットを述べた。

 一方、同教授は入手のしやすさ(経済的かつ安定した供給=アクセシビリティ)、使いやすさ(高い供給信頼性とエネルギーの質=アベイラビリティ)、受入れやすさ(優れた環境特性と安全性=アクセプタビリティ)の3点を、エネルギー技術に求められる「三A」として、この視点に立った場合、@入手しやすさ〜立地と経済的な制約、コスト高(技術進歩による)スト低減は一部分)(=再生可能エネ)。資源量が限られる、廃棄物以外はコスト高(=未利用エネ)A使いやすさ〜出力・電圧・周波数の変動(=再生可能エネ)。季節と週で供給変動(=未利用エネ)B受け入れやすさ〜ガス爆発への不安(=天然ガス)。渡り鳥被害、高調波による電波障害、騒音、落雷(=風力)アイランディング対策、半導体工場でのフロン対策、Cd-Te、Ga-As電池の公害問題(=太陽光)。ダイオキシン対策(=未利用エネ)−などが、デメリットとして挙げられるとした。

 一方、ジャフィー氏は、「日本のエネルギー政策は、セキュリティ問題にセンシティブになりすぎた」と述べ、エネルギー問題に対して、もっと楽観的に考えることを提案。また天然ガス利用について、技術開発により更なる確認埋蔵量の増加が見込まれる可能性が高いことから、日本も天然ガス市場にもっと参入すべく、インフラ整備などを進めるべきと述べた。

 加えて同氏は、わが国のエネルギー政策に対して@国際的なエネルギー市場の構造変化を考慮すべきAエネルギーセキュリティの内容は、経済への悪影響防止と地勢的戦略の二つB多国間戦略は、一国の戦略よりも重要C安くなりつつある天然ガスを、もっと利用すべきD長期的に石油は、十分供給可能な現状である−との提言を行った。

 総合部会の次回会合は7月21日。新エネルギー部会および石油審議会開発部会からの報告および、今までの議論を受けた今後の論点整理を行う予定だ。


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