[原子力産業新聞] 2000年7月13日 第2046号 <2面>

[常陽] MK-III改造へ

 核燃料サイクル開発機構は、高速実験炉「常陽」で高性能燃料・材料照射、マイナーアクチニドの燃焼試験など幅広いニーズに応えるため、炉心高性能化などの「Mk-III」改造作業を7月から始める。

 「常陽」は3月からの運転を先月終了し、引き続き定期検査に入り燃料交換と機器類の点検等を実施するほか、「MK-III」化へ向けた主冷却系の改造工事が施される。期間は約32か月の予定。

 通常より長い今回の定検では「MK-III」炉心とするため、約200体の燃料等の交換、使用前検査、総合機能試験を行う。高性能炉心とすることで、原子炉出力が100MWから140MWにアップし、冷却系統の主中間熱交換器2基と主冷却機4基の性能を向上させる。改造費用は約230億円。「MK-III」での本格運転は2003年以降を見込んでおり、照射装置を取り付けて国内外研究機関等からの照射依頼にも幅広く答えるようにしていく。


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