[原子力産業新聞] 2000年7月20日 第2047号 <1面>

[中国電力・北海道電力] 増設計画、相次ぎ前進

 中国電力が計画している島根原子力発電所3号機増設計画について、澄田信義島根県知事は14日午前、県議会最終日の全員協議会で増設への同意を表明。また一方では、北海道の堀達也知事が14日末明の同議会予算特別委員会で、北海道電力の泊発電所3号機増設計画について事実上の計画容認を表明するなど、今まで難航していた原子力発電所の立地問題が、新たなフェーズを迎えつつある。昨年9月の東海村・JCO施設で起きた臨界事故以来、地元知事が建設について前向きな発言をするのは初めてのことで、両計画は建設への次なるステップとなる電調審上程へ向け、大きな一歩を踏み出した。

 澄田信義島根県知事は14日、県議会の全員協議会で中国電力の島根3号機増設計画について、「増設を可とする」と発言し、同計画を国の電源開発調整審議会に上程することに同意する意向を表明した。6月30日の鹿島町長、7月11日の島根町長に続き、松江市長が13日に増設を認めることを同知事に伝えたことから関係する3市町の同意は全て出そろっていた。今回の知事の決断はこれを受けてのもので、知事は今後、同意を正式に国へ伝えることから、同計画は8月にも開催される電源開発調整審議会に上程される見通しだ

 中国電力が2003年3月着工、2010年3月の営業運転開始を目指している島根3号機は、同社初の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)が採用される予定。137万3,000kWの高出力で計画されていることから、運開した際の同社総発電電力量に占める原子力発電の割合(シェア)は、99年度末の17%から26%へと、飛躍的に伸びることとなる。

 一方、堀達也北海道知事は、14日未明までずれ込んだ北海道議会予算特別委員会の答弁で、北海道電力の泊3号機増設問題について、道内のエネルギー問題委員会の報告書を重く受け止め、また道民などから寄せられた様々な意見を検討した結果、「道民生活の向上や産業政策振興を図るためには将来のエネルギー安定供給を図ることは大切であり、2008年度以降は90万kW以上の電源の確保が必要」とした上で、北電の申し入れた「泊3号機の増設計画の妥当性など現時点での確実性を選択せざるを得ない」と。述べ、計画を事実上容認するとの意向を示した。今後は泊村など地元町村の意向などを踏まえ、知事が最終的な結論を出すこととしている。

 泊発電所3号機は、加圧水型軽水炉(PWR)、出力91万2,000kWで計画されており、99年6月には第一次公開ヒアリングを開催している。なお運開は2008年を予定。北電では堀知事の増設の容認表明を受け「知事には泊3号機増設計画について、ご理解をいただいたものと考えている。当社としては、できるだけ早期の電調審上程に向け、地元の皆さまや関係機関のご理解どこ協力が得られるよう最大限努力して参りたい」とコメントしている。

中国電力・高須社長のコメント

 本日、澄田知事が島根原子力発電所3号機の電調審上程に同意する旨表明されたことは、当社にとってまことにありがたく、深く感謝申し上げたい。

 本日知事からご同意をいただくことができたことは、ひとえに関係各方面の方々のご尽力と、地元の皆さま方からのご理解の賜物であり、心からお礼を申し上げる。

 原子力の開発推進は、当社にとって最重要課題の一つであり、上関地点と併せ、引き続き一層のご理解を賜るよう全力で取り組んでまいりたい。


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