[原子力産業新聞] 2000年7月20日 第2047号 <3面>

[英国] BE社、カナダの原発をリース運転へ

少なくとも2018年まで

 英国の原子力発電所の持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー(BE)社は11日、カナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が所有するブルースA、Bの両原子力発電所を少なくとも2018年までリースすることになったと発表した。

 OPG社と実際に取決めを結んだのはBE社の子会社であるブルース・パワー・パートナーシップ(BPP)社で、取決めには2018年以降25年間、ブルース炉をリースおよび運転するオプションが含まれている。現在、4基、336万kW(各84万kW、CANDU)が稼働中のブルースB発電所に加えて、BPP社は95年から相次いで運転を休止していたA発電所の4基(各90万4,000kW、CANDU)のうち2基を再起動する考え。これに伴い、A発電所の原子炉が技術的、経済的にも運転可能かどうか評価するため、近々にもエンジニアリング作業と規制審査プログラムを実施する計画だとしている。

 取決めによるとBPP社からOPG社に支払われるのは合計2億7,900万ポンド(466億円)で、このうち2億4,100万ポンド(402億5,000万円)が最初のリース費。残りの3,800万ポンド(62億5,000万円)は燃料の在庫などその他資産の経費となる。現金による支払いは3回の分割となっており、初回分の1億7,900万ポンド(299億円)はカナダ原子力安全委員会(CNSC)およびオンタリオ州のエネルギー理事会(OEB)による各種認可の発給、承認を待って2001年夏までに支払われる予定だ。

 これに伴いBE社はまず、95%出資しているBPP社に対して初回の現金支払いに間に合うよう1億7,000万ポンドの投資を行う。BPP社からOPG社に支払う年間リース料は固定費のほか、販売収益からのシェアのように変動する費用で構成されるが、これらは2002年12月までで4,800万ポンド(80億円)に達すると見込まれている。

 BPP社は今後、CNSCにブルース発電所の運転認可を申請する予定で、同サイトの従業員は全員、BPP社かOPG社のどちらかに雇用されることになる。BE社としては二つの大手労組の代表者で構成される同サイトの従業員がBPP社株の残る5%を購入するよう期待しているが、さらに別の1社か複数のパートナーを参加させることも念頭に置くとしている。使用済み燃料と廃棄物の管理に関する契約上の責任はOPG社に残される予定だ。廃止措置については取決め上はBPP社が計画を提出する必要があるが、OPG社もまた、BPP社に廃止措置計画を提供するとともに適切な資金調達を図る責任があることになっている。

 ブルース発電所の取り引き高は99年実績で4億200万ポンド(671億円)で諸経費および税引き前の操業益は1億5,600万ポンド(260億5,000万円)。カナダ国内の原子炉22基中20基までを所有するOPG社が新たな出資者を模索しているため、今後BE社自身が同発電所の操業に関わる可能性もあるとしている。


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