[原子力産業新聞] 2000年7月27日 第2048号 <1面>

[通産省] 電事法を一部改正

品質保証、一層の強化

通産省・資源エネルギー庁は14日付けで、輸入燃料体検査制度の充実を目的として電気事業法施行規則の一部改正を実施。燃料体検査申請書の添付書類に品質保証に関する説明書を加えることを、電気事業者などに義務付けることとした。

これは英国 BNFL 社による関西電力高浜発電所3・4号機向け MOX 燃料の一部データ不正を受けて、先月22日に再発防止のために取りまとめられた「電気事業審議会基本政策部会 BNFL 社製 MOX 燃料データ問題検討委員会」の報告を踏まえての措置で、電気事業法第77条 (燃料体設計認可申請書への添付書類) および78条 (輸入燃料体検査申請書への添付書類) に、それぞれ新たに「品質保証に関する説明書」を添付するという形で改正された。

また、これに合わせてエネ庁は同日、電気事業者に対して今後海外からの MOX 燃料体に係る輸入燃料体検査についての通達を行った。

通達の具体的内容は、(1)海外工場での MOX 燃料体製造は、当該の燃料体を装荷する原子炉設置変更許可取得後に開始すること(2)海外工場で生産する MOX 燃料体については、その成形加工に着手する前に輸入燃料体検査申請を行う。またその際、それぞれ「燃料材、燃料被覆材その他の部品の組成、構造、強度等に関する試験の計画に関する説明書」、「品質保証の計画に関する説明書」を添付する(3)海外で製造された MOX 燃料体が日本へ向けて海上輸送される前に、あらかじめ十分な時間的余裕をもって「(2)」の申請を補正する書類として「燃料材、燃料被覆材その他の部品の組成、構造、強度等に関する試験の結果に関する説明書」、「品質保証の結果に関する説明書」を添付する。また海外工場におけるわが国向け MOX 燃料体製造実績が蓄積されるまでの当面の間、電気事業者は海外 MOX 燃料工場の製造時の品質保証活動の確認等を実施する場合、第三者機関を活用することとし、その結果を「品質保証の結果に関する説明書」に記載する(4)すでに海外工場で製造済みまたは製造中の MOX 燃料体については、日本に向けて海上輸送される前に、あらかじめ十分な時間的余裕を持って輸入燃料体検査申請を行うこと。この際「品質保証に関する説明書」には、MOX 燃料体製造時において電気事業者が行った品質保証活動の内容とともに、海外 MOX 燃料工場の品質保障活動について、第三者機関を活用しつつ妥当性の再確認を行った結果を記載する−などとなっており、輸入 MOX 燃料体の検査については、日本へ向けて輸送が行われる前に検査や試験・品質保証に関する書類提出といった各種申請を義務付けることにより、品質保証のより一層の強化をねらう。


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