[原子力産業新聞] 2000年7月27日 第2048号 <2面>

[沖縄サミット] 原子力安全、国際水準の向上に努力

G8 コミュニケに明記

7月21日から沖縄県名護市で開かれていた主要国首脳会議 (サミット) は、3日間の日程を終了し、最終日の午前に共同コミコニケを発表して閉幕した。ホスト国の日本をはじめ、米、英、仏などの主要先進7か国に加え、ロシアが参加、計8か国の首脳が朝鮮半島問題や情報技術の発展などのテーマで議論した。

先の南北会談以降、緊張緩和に新たな展開が期待されている朝鮮半島問題については、今回のサミットでの重要なテーマとして取り上げられ、初日、特別に G8 声明として、見解が発表された。声明では「南北共同宣言の誠実な実施を含むこのようなプロセスが南北関係における新たな時代を切り開き、朝鮮半島の緊張を緩和することを心から希望する」として、南北対話の実現を評価するとともに、今後の対話継続を強力に支持するとの見解が示された。

一方、最終日の23日に発表された G8 コミュニケでは、情報技術の発展、環境問題への対応など、21世紀にむけての国際問題への対応に関する基本的考え方が盛り込まれた。

そのなかで、核軍縮に関しては、今年行われた核兵器不拡散条約 (NPT) 運用検討会議を受けて、「包括的核実験禁止条約 (CTBT) の早期発効並びに核兵器用核分裂性物質生産禁止条約交渉の即時開始及び5年以内の終結を含め、この会議において得られた結論を実施する決意である」と、同会議の成果を速やかに実行していく姿勢を示した。

またプルトニウムの国際管理に関して、「次のサミットに向けての我々の目標は、詳細なプロジェクト計画に基づいたプルトニウムの管理及び処分のための国際的な資金調達計画を構築すること並びにこの協力関係を調整するための多数国間の枠組みを構築することである」としている。

原子力の安全に関しては「世界のどこであれ原子力の利用において安全第一の政策をとること及び高い安全基準を達成することに関して、1996年のモスクワでの原子力安全サミットにおいて表明したコミットメントを新たにする」とし、「高い水準の原子力安全の促進において協力を継続することに合意した」と改めて国際的な安全水準の向上に努めるとの姿勢を示した。


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