[原子力産業新聞] 2000年7月27日 第2048号 <3面>

[フランス] 電力公社、ルブレイエ原発の防波堤で安全証明報告を提出

フランス電力公社 (EDF) は昨年12月に洪水被害を被ったルブレイエ原子力発電所 (各95万1,000kW、PWR 4基) の新しい防波堤の安全性を証明する報告書を提出期限直前の7月6日に仏原子力施設安全局 (DSIN) に提出し、同1、2号機の強制運転停止処分を免れた。

昨年のハリケーンによる洪水ではジロンド川の水が堤防を越えて同発電所の地下保守トンネルに侵入。安全システムの一部が破壊されるという重大な被害を受けた。その後堤防を高くする工事が行われたほか、現在もさらなる復旧作業が続けられているが、DSIN は新たな堤防に使われた材料の分析調査を EDF に指示。5月31日までに結果を報告書を提出するよう確約させるとともに、同月5日と28日に1、2号機の運転再開を許可していた。

しかし、予想以上に作業に手間取った EDF は最初の期限を守ることができず、DSIN からは「7月7日までに提出しなければ1、2号機を停止させる」と言い渡されていたもの。

この洪水による被害は国際原子力事故評価尺度 (INES) で最終的にレベル2と評定されている。今年初頭、議会の科学技術オプション評価委員会を代表してC.ビロー議員が実施した調査では、EDF は緊急時の迅速な人員配置で高い評価を受けた。その一方、社内の連絡体制については不備があったと指摘され、今後は外部災害に対しても多重防護の概念を拡大するよう勧告されている。

DSIN では今回提出された報告書の内容をまず専門家に諮問し、その後 DSIN で審査するとの方針を示した。


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