[原子力産業新聞] 2000年8月3日 第2049号 <3面>

[フランス] 公開意見調査、認可変更に条件付き賛成

再処理工場と廃棄物貯蔵所

フランスで行われていたラアーグ再処理工揚とラマンシュ低レベル放射性廃棄物貯蔵センター (CSM) の認可変更申請に関する公開意見調査で、「申請の承認を条件付きで勧告する」との結果が出たことが明らかになった。

この調査は、核燃料公社 (COGEMA) が仏原子力施設安全局 (DSIN) に提出していた再処理工場の運転認可の一部変更申請と、放射性廃棄物管理庁 (ANDRA) が94年6月に封印した CSM の長期監視計画で第二段階に移行する申請について、一般市民の意見を聴取するために今年2月から始められていたもの。同国では原子力関連施設に限らず、環境に影響を及ぼす可能性のある施設の建設承認や親則の変更などに際して法的に義務づけられている。

ラアーグ工場について COGEMA は、再処理設備である UP3-A と UP2-800、および廃棄物処理設備である STE3 の認可変更を申請。具体的には(1)両再処理設備の処理能力を年間1,700トンに拡大(2)両設備の使用済み燃料貯蔵ブールの容量を拡大(3)再処理する使用済み燃料の燃焼度と濃縮レベルの引き上げ、を希望していた。これに対して意見調査理事会は、環境中に放出する化学物質または放射性物質の量を増大させないことと、新たな種類の燃料の再処理は技術的なしきい値に達しない元素に限って認めることを条件に承認を勧告するとの判断を下した。

一方、ANDRA が申請していたのは、封印後第一段階の監視期間を終えようとしている CSM について、監視第二段階への移行と排水の放出認可の更新だ。理事会はこれに対しても次のような条件付きで承認するとの考えを示している。すなわち、(1)放射性廃棄物を積極的に監視する第一段階の期間を10年に延長(2)CSM 施設の真下の環境を精査する実質的な可能性について ANDRA が調査する(3)CSM 排水施設の検査、洗浄、修理の方法を ANDRA が審査する−など。


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