[原子力産業新聞] 2000年8月24日 第2051号 <3面>

[スウェーデン] バーセベック2号機の処遇を決定へ

不足電力の補填が焦点に

スウェーデン政府は2001年度予算案を公表する予定の9月20日に合わせて、バーセベック原子力発電所2号機 (61万5,000kW、BWR) の処遇についての見解を示すことになっている。

同発電所の1号機 (61万5,000kW、BWR) は予定より1年半遅れたものの、97年の議会決定に従って昨年11月に閉鎖された。同炉の閉鎖には何の条件も付いていなかったのに対し、同2号機に関しては来年7月の閉鎖に伴う年間40億kW 時の電力損失を省エネと非化石燃料による新規発電設備などで補うことが閉鎖の条体となっていた。議会での公式審議に先立ち、現政権を率いる社会民主党は早くも左翼党、中央党などと非公式の折衝を始めたと伝えられている。

不足電力の補填に関してはスウェーデン政府の求めによって2つの独立のコンサルティング会社がそれぞれ、「当分の間は不足分の50%しか補えない」と結論付ける実行可能性報告書を今月中旬に公表した。スウェーデンの国家エネルギー行政局 (SNEA) は、この結論には概ね同意できるとコメントしており、その理由としては、自由化された電力市場や近隣諸国からの電力輸入により電力価格が低下するため、新規の発電設備を建設する必然性が乏しくなる点を挙げた。

しかし、その一方で SNEA は、例え厳寒期においてもデンマークやドイツ、ポーランドからの輸入によって適切な電力供給が確保されると強調。「2号機は2001年7月までに閉鎖すべきだ」との考えを明らかにしている。


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