[原子力産業新聞] 2000年8月24日 第2051号 <3面>

[英国] BE 社、新措置施行に合わせ小売り会社を買却

英国の原子力発電持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー (BE) 社は7日、今年初頭に買収したばかりの電力・ガス小売り会社であるスワレック (Swalec) 社を売却すると発表した。

これは市場における電力価格をさらに押し下げることを目的に11月から「新電力取引き措置」(NETA) が英国で導入されるのに伴い、BE 社が電力供給形態戦略を見直しした結果。同社は1億700万ポンド (178億7,000万円) で買収したスワレック社を2億1,000万ポンド (約351億円) でスコティッシュ・サザン・エナジー社に売却するとともに、10年間にわたって電力を卸売りする長期契約を取り付けた。具体的には、最初の5年間は毎年100億kW 時、後の五年間は年間75億kW 時を同社に販売していくことになる。

今回の措置について BE 社のP.ホリンズ最高経営責任者 (CEO) は、「スワレック社を買った後に市場の状況が変化したので、わが社としても多額の投資によって独自の電力小売り部門を構築するよりもスコティッシュ・サザン社と長期的に連携していく方が効率的と判断した」と説明。イングランドおよびウェールズ地方における同社発電量の20%を卸売りする契約が確保できたことから、小売り事業からは撤退するものの、年間80億kW 時に及ぶ卸売り事業と産業用電力供給は、英国内での発電コスト削減と北米での開発も含めて同社の基幹事業とする戦略に変わりないことを強調した。


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