[原子力産業新聞] 2000年8月24日 第2051号 <3面>

[フランス] ベルビル1、10年に一度の大検査をクリア

フランス電力公社 (EDF) は6日、ペルビル原子力発電所1号機 (136万3,000kW、PWR) が2,770万ユーロの費用で10年に一度の大規模な定期検査に合格し、仏原子力施設安全局 (DSIN) からはさらに10年間の操業を保証されたことを明らかにした。

フランスの原子炉は通常の短いインターバルの定期検査のほかに、10年に一度、大がかりな検査の実施を義務づけられている。80年代後半から90年代初頭にかけて運開した4ルーフ形式・130万kW シリーズの PWR であるベルビル1号機が10年検査を受けるのは初めてのこと。特に、1年以上の運転停止を余儀なくされるなど長期にわたって懸案となっていた格納容器内壁の漏洩率も法令による基準を無事クリアすることができた。同じ問題により停止していた同2号機も昨年10月、一足先に10年検査をパスしている。

EDF では昨年から15億ユーロ (1,545億円) 以上の予算をかけて、70年代後半に運開した3ループ形式・90万kW シリーズの原子炉34基について、二度目の10年検査を順次実施している。1基あたり平均の検査費用は追加で必要になる保守費を含めると初期投資額の5%近くにもおよんでおり、昨年のフュッセンハイム1号機では9,500万ユーロ (約98億円) を費やした。


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