[原子力産業新聞] 2000年9月7日 第2053号 <3面>

[米国] ゴア民主党候補は廃棄物法案に反対

米原子力エネルギー協会が8月22日付けで伝えたところによると、民主党の次期大統領候補であるA.ゴア副大統領は大統領に選出された場合、クリントン大統領と同様、ユッカマウンテンでの使用済み燃料地層処分場建設を可能にする放射性廃棄物修正法案を拒否する考えだ。

これはユッカマウンテンが所在するネバダ州選出のH.レイド民主党上院議員に宛てたゴア副大統領からの書簡で明らかになったもの。その中で副大統領は、「法案は地元住民の健康や安全を防護する立場の環境保護庁 (EPA) を妥協させる恐れがある」と指摘。同処分場の放射線防護安全基準策定に際して EPA と原子力規制委員会 (NRC) が論争している事実を示唆した。また、同法案が使用済み燃料の安全な処分手続きを害するとともに、輸送設備も機能しないと考えていることを明らかにした。

ゴア副大統領は元々、民主党からの次期大統領候補を決める選挙戦の段階でも自身のエネルギー戦略の中では原子力に言及していなかった。しかし、副大統領候補のJ.リーバーマン上院議員はこれまでいくつかの局面で原子力を支持する発言をしており、昨年は国内原子炉の老朽化に伴い、新たな原発建設を可能にする対策の検討を呼びかけている。


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