[原子力産業新聞] 2000年9月7日 第2053号 <3面>

[米国] エネ省、業者の安全規則違反で最高額の罰金通告

米国エネルギー省 (DOE) は8月28日、テネシー州オークリッジにある軍用核施設 (Y-12) の操業を請け負っていたロッキード・マーチン・エナジー・システムズ (LMES) 社が複数の原子力安全要項違反を犯したとして、DOE が94年にプライス−アンダーソン修正法に基づく「原子力安全強化プログラム」を開始して以来、民事罰金としては過去最高額の104万5,000ドル (約1億1,400万円) を支払うよう同社に予備通告した。

Y-12 は国立原子力安全機関の一部で核兵器部品の製造・再加工・解体などを行っている施設。安全強化プログラムは施設の操業を請け負う企業が安全要項を十分満たしていることを保証するために実施されるもので、DOE は今年の1月から Y-12 に関する調査を開始していた。

その結果、同施設では次のような分野で違反行為が確認されたとしている。例えば、(1)99年12月にカリウム・ナトリウム液体金属が爆発して11名の作業員が負傷。作業員達は適切な訓練を受けておらず、作業の危険性を認識していなかったことなど、LMES 社は取扱い物質の爆発防止対策を怠っていた(2)ウラン濃縮関連作業の再開に必要な電源システムであるフッ化水素供給システム (HFSS) の設計、資材調達および製造において重大な欠陥が認められた(3)98年7月から99年12月にかけて作業の安全や用件の遵守を怠る行為が数多くあった−など。

LMES 社は今後、9月23日までに DOE の予備通告に反論する機会を与えられている。


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