[原子力産業新聞] 2000年9月14日 第2054号 <3面>

[中国] 原発周辺の観測結果を一般公開

[杭州8月27日発新華社=中国通信]
中国が独自に建造した初の原子力発発電である秦山原発 (30万kW、PWR) が8月中旬、周辺環境の観測状況を初めて一般に公開し、今年第2四半期の環境水準が正常だったことを明らかにした。

浙江省放射線環境観測所では秦山原発の周囲2.5キロkmの随囲に5か所の観測地点を設置し、毎日24時間連続して環境放射線量の観測を実施している。秦山原発は浙江省北部、人口約40万人の海塩県にあるが、同観測所によると、これまで地元政府にのみ報告されていた観測結果は、各四半期の第2月に地元紙の「海塩日報」に発表されることになる。専門性の高いデータが理解されにくいことを考慮し、公表データは結論的な通常の観測結果に絞っている。また、毎年年末に原発付近の生態状況も分析し、公表することも計画している。

なお、中国の国家海洋局第二海洋研究所は89年から90年、95年から96年の2回、秦山原発近海域での生態調査結果を比較。91年の発電開始から近海域の生態環境に異常は認められなかったと指摘している。


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