[原子力産業新聞] 2000年9月21日 第2055号 <3面>

[ロシア] FBR建設計画を再開へ

BN-800型炉を3基

ロシア原子力学会および原子力公社 (Rosenergoatom) が8月31日付けで伝えたところによると、南ウラル地方のチェリヤビンスク行政当局はこのほど、89年に凍結された高速増殖炉 (サウスウラル原子力発電所) 建設計画の再開を承認した。

これはマヤクにある旧軍事サイトのV.サドフニコフ局長がチェリヤビンスク地区の行政議会で明りかにしたと伝えられている。この計画では当初、BN-800 型 (80万kW 級) の高速増殖炉を3基建設することによって年間100億〜150億kW 時を同地区に確保することが目標だった。しかし、資金不足とチェルノブイリ事故の影響で一時凍結されて以来、同地区のエネルギー不足と環境問題は年々深刻化しており、94年には政府の意向も計画再開に傾き始めていた。

サドフニコフ局長によると同サイトではすでに初期段階の建設作業で5,000万ドル (53 億円) を費やしているが、兵器級プルを燃やせるナトリウム冷却・高速増殖炉を一基建設するのには、さらに約10億ドル (1,060 億円) が必要と見積もられている。


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