[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <2面>

[原安技センター] 六ヶ所村に防災の新拠点整備へ

原子力安全技術センターでは、青森県六ヶ所村尾鮫レークタウン内に「危機管理システム・緊急防災研究センター (仮称)」を新たに建設することとなった。

今年2月、安全技術センターは同村内に「防災技術センター」を開所し、青森県や六ヶ所村が実施する防災活動を支援するための業務を行ってきている。

今回新設される研究センターは青森県と科学技術庁からの補助を受ける形で整備されるもので、既存の防災技術センターは発展改組される模様。建物の2階部分は、原子力災害対策特別措置法に基づいて整備されるオフサイトセンターとして利用される予定。1階部分は同センターが従来の業務に用いる。完成は来年3月の予定だ。

原子力安全技術センターは国からの委託を受け、「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEED I)」を運用し、原子力施設周辺に地元自治体が設置したモニタリングポストの放射線情報を収集している。収集頻度は現在、平常時には1時間に1回、緊急時には10分に1回となっているが、今年末までに常時10分に1回収集するよう頻度を高め、国の防災関係者に携帯電話で迅速に通報できるよう整備を進めている、

現在、SPEED I は原子力安全技術センターにある中央計算機を介して科学技術庁と14道府県の間で運用されているが、臨界事故後の原子力防災対策強化の一環として、核燃料加工施設や研究施設等がある4府県を新たにネットワークに組み込む計画だ。

さらに、今後各地に整備されるオフサイトセンターでも SPEED I からの情報を把握することができるよう、端末機の設置等を年度内を目処に整備を図っていく。


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