[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <3面>

[中国] 田湾2号機に正式着工

2005年に完成へ

[南京9月20日発新華社=中国通信] 中国とロシア両国最大の経済協力事業である田湾原子力発電所建設プロジェクトで2号機の工事が20日から正式にスタートした。

江蘇省連雲港市高公島郷の田湾をサイトとする同プロジェクトでは、現在100万kW 級 PWR 2基から成る第一期工事が進められており、総投資額は260億元になる。同1号機の工事は昨年10月に始まっており、原子炉建屋の底板、循環冷却水ポンプ室などの作業はすでに完了。格納容器の第一層のコンクリート打ち込みも終わっている。一部重要設備の購入では国際入札が行われ、独、仏、米などの有名企業数社との間で3億ドル余りの契約が結ばれた。完成は2004年の予定で、運転要員の研修も海外で進められているほか、調整試験の準備作業も始まっている。2号機は2005年の完成を予定しており、商業運転を開始すれば年間発電電力量は140億kW 時、年間生産額は50億元以上になる見込みだ。

田湾発電所は中国が今世紀中に着工する最後の原子力発電所であり、続く二期工事では100万kW 級 PWR 2基の設置を計画。将来的には6〜8基の大型原子炉を据え付けて、総出力1,000万kW 近い大型エネルギー基地に発展させる余地があり、21世紀における中国の重要な電力供給センターとなる可能性が大きい。また、江蘇と華東におけるエネルギー供給の拡大やエネルギー構造の改善、環境汚染の削減、および国民経済の発展に重要な役割を果たすとの期待から中国でも大型のハイテク産業プロジェクトと位置づけられている。


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