[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <6面>

[新設] オスモス技術で協会

原子力への適用も検討

日揮、ハザマ、京急建設、日本エヌ・ユー・エス、宮地鐵工所、エスイー、五洋建設の7社は22日、光ファイバーを用いたモニタリングシステムである「OSMOS (オスモス)」の技術協会 (事務局=横浜市西区みなとみらい日揮本社内) を設立した。

「OSMOS」は、光ファイバーを撚った光学ストランドと呼ばれる長さ数メートルのセンサーを構造物や地盤、岩盤に取り付け、センサーの中を通過する赤外線強度の変化を計測することにより、対象物の伸びや縮みを連続的に捉えるシステム。欧州 0SMOS グループが10数年前に実用化し、これまでにエッフェル塔やユーロトンネルのモニタリングサービスなど欧州では100件以上の適用実績がある。日本国内では昨年2月に日揮が OSMOS グループから総販売店権利を取得、構造物のモニタリングサービスに着手しており、その後 OSMOS を用いてモニタリングサービスをする副販売店やその傘下の関連会社が計10社に達し、今回の協会発足に至ったもの。今年に入ってからは、自治体や JR を含む民間電鉄、道路公団などから橋梁、トンネル、エネルギー施設などの土木、建築構造物のモニタリングに採用され、その実績や国内独自のノウハウが蓄積されつつあり、今後原子力施設の維持・管理等への適用も検討されているという。同日開かれた第1回総会・理事会で会長に日揮の重久吉弘社長が、副会長にハザマの山口靖紀常務執行役負と五洋建設の松下正勝常務が就任した。

OSMOS は、光学ストランド (センサー) と対象物への固定治具、光ファイバーケーブル、オプトボックス (光と電気の変換器)、パソコン、モデムなどで構成される。リアルタイムで長期間安定した静的および動的なモニタリングが可能なうえ、対象物のマクロ的挙動が把握できるほか、地盤やコンクリート内、水中など厳しい条件下でのモニタリングが可能。そのほかセンサーの取り付けが簡単で、電磁波などのノイズを受け付けないなどの特徴を持っている。


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