[原子力産業新聞] 2000年10月5日 第2057号 <2面>

[シンポジウム] 読売新聞主催「21世紀のエネルギー選択」

エネルギー基本法も視野

読売新聞社が主催するシンポジウム「21世紀のエネルギー選択」が9月29日、都内で開催され、将来のエネルギー利用と克服すべき課顕をめぐり参加者が意見を交わした。

基調講演を行った茅陽一東京犬学名誉教授は、エネルギーをとりまく環境を概観するとともに、COP3 での CO2 削減目標を踏まえ、省エネや自然エネルギー開発の意義を述べる一方、原子力発電の適正な維持を図る必要性を指摘した。

続いて行われたパネル討論には、甘利明衆議院議員、河野博文通産省資源エネルギー庁長官、柏木孝夫東京農工大学教授、評論家の大宅映子氏らが参加。

その中で、自民党エネルギー総合政策小委員会委員長を務める甘利氏は、「政府・自民党は従来、個別テーマ毎にエネルギー政策に取り組んできたが、近年のエネルギー問題の複雑化を考えると総合的なエネルギー政策の構築が必要となっている」と指摘。エネルギー安全保障、地球環境適合性、経済合理化の3点を論点に、3月より検討を重ねてきた党としてのエネルギー総合政策を、年内を目処に打ち出したいとの考えを明らかにした。

さらに、「最終的には、すべてのエネルギー政策の上位に位置づけられるエネルギー基本法を議員立法により制定したい」との意欲を示した。

また、河野資源エネ庁長官からは、総合エネルギー調査会がエネルギー需給見通しの見直しに着手したことに言及し、日本のエネルギー安全保障上各エネルギー源がどのように評価されるべきかの検討や、COP3 で定められた数値目標達成のために環境税等の経済的措置の是非などといった議論を進めていることが紹介された。


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