[原子力産業新聞] 2000年11月2日 第2061号 <3面>

[台湾] 第四原発の建設を中止

立法院が紛糾の恐れ

台湾の張俊雄・行政院長 (首相) は10月27日、内閣が台湾北端の縣貢寮で建設中だった第四 (龍門) 原子力発電所 (各ABWR、155万kW) の建設中止を決めたと発表した。

台湾を約50年間に渡って支配していた国民党に代わり、今年3月に政権の座に付いた民進党の陳水扁総統は同発電所の建設中止を選挙戦の公約として掲げていたが、9月30日には同発電所の処遇について審議してきた専門家評価委員会の見解として、林信義・経済部長 (通産相) は建設の中止を勧告。これに伴い、閣僚の中では原子力推進派だった前首相の唐飛氏が10月3日に辞任している。

ただし、台湾立法院 (国会) では過半数を前政権与党だった国民党所属議員が占めていることから、今後はこれらの議員達が同発電所の存続を目指して、動議を提出するなどの対策を取ると予想されている。

第四発電所の総工費は約1,700億台湾ドル (約6,000億円) で、計画通り2004年以降に完成すれば台湾北部地域の電源不足解消に非常に役立つと期待されていた。原子炉は米国のジェネラル・エレクトリック社が受注しており、昨年3月に正式着工して以来、これまでの作業ですでに約900億台湾ドル (3,150億円) が費やされたと伝えられている。


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