[原子力産業新聞] 2000年11月9日 第2062号 <3面>

[スウェーデン] 国営電力、独HEW社を管理課へ

独の電力市場に足場

スウェーデンの国営電力であるヴァッテンフォール社は10月20日、ドイツのハンブルグ電力 (HEW) を実質的に管理下に置く商取り引きの了解覚書に調印。ドイツ電力市場における活動基盤を一層確固たるものにした。

ヴァッテンフォール社は今回、ドイツの E・ON エネルギー社から HEW 社株の15.4%、スウェーデンのシドクラフト社から21.8%、資本投資家からは7.8%を取得。すでに以前から保有していた HEW 社株の26.2%と合わせて合計71.2%の株式を手中に収め、同社の筆頭株主となった。ヴァッテンフォール社はこれに伴い、これまで保有してきた欧州各国の電力株のいくつかを手離すほか、2社に対して合計42億スウェーデン・クローナ (462億円) 以上の現金を支払うことになる。正式な調印は規制当局の承認を待って、来年1月の予定だ。

ヴァッテンフォール社が手離す電力株の内訳は次の通り。(1) スウェーデンでフォルスマルク原子力発電所の3基を操業しているフォルスマルク社の株式8.5%、および約20億kW 時に相当する同発電所の発電容量8.5%分 (2) ノルウェーの民間水力発電・送配電会社であるハフスルンド社株の20.5% (3) ノルウェーの民間水力電力会社のフレドリクスタッド・エネルギーベルク社株の40%、およびフレドリックスタッド・エネルギーネット社株の35% (4) そのほか、スウェーデンにあるヴァッテンフォール天然ガス会社株の51%、海底高圧送電線を運用するバルチック.ケーブル社株の3分の1相当、チェコの電力会社である VCE 社株の41.7%、リトアニア政府が所有する LPC 電力会社の10%。


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