[原子力産業新聞] 2000年11月30日 第2065号 <2面>

[エネ庁] 保安検査、17発電所すべてに問題なし

改善事項3件を指摘も

通産省・資源エネルギー庁は27日、今年度第1回目の原子力発電所保安検査を行った結果、全原子力発電所について問題がなかったことを発表した。

この検査は、同庁が今年度に実施予定の3回の保安検査のうち、8月28日〜9月22日にかけて実施された第1回目の結果がまとまったために発表したもので、原子炉等規制法の規定に基づき、10社・17原子力発電所の原子炉設置者およびその従業者に対して、保安規定の遵守状況などを、全国の原子力保安検査官事務所 (16事務所) に駐在している原子力保安検査官 (85名) が検査を実施した。

第1回目の検査では、 (1) 運転管理状況の記録確認。原子炉施設の巡視および定期自主検査等への立会い。加えて平日の勤務時間外や土・日・祝日の中央制御室への巡視または定期自主検査などへの立会い (2) 保安規定第2章、第3章、第9章および第10章のそれぞれの条文に対して原子炉等規制法に基づく立入り、物件検査、関係者質問による保安検査の実施。特に第3章「運転管理」のうち「定期的な検査および試験」および第9章「教育訓練」などについて、重点検査項目と定めて実施−などが行われ、その結果、運転管理状況については、全ての原子力発電所について特に問題がなかったことが確認されたほか、保安規定違反の有無についても、保安規定に違反するような事項または保安規定違反の疑いがあるような事項は認められなかったという。

なおエネ庁では指摘事項等として、保安規定に違反しないものの、保安規定の適切な遵守の観点から改善が必要と認められる事項が3件、保安規定に直接関係しないが、保安の観点から改善を行うことにより、より一層適切な運用が図られると認められる軽微な指摘事項が12件あったことも、合わせて明らかにしている。


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