[原子力産業新聞] 2000年11月30日 第2065号 <2面>

[NSネット] セミナー開催

NS ネット (ニュークリアセイフティーネットワーク) は28日、東京港区の虎ノ門パストラルで2000年度の「NS ネットセミナー」を開催した。

セミナーでは、牧野昇理事長の挨拶に続き、梅津晢事務局長から NS ネットの活動状況が報告された。そのうち、梅津理事長はピアレビューをはじめ各種セミナー等の活動を報告したうえで「安全意識の徹底、安全文化の定着をはかり、原子力産業界全体の安全向上に実効をあげる」などの見解を示した。

この後、国際基督教大学の村上陽一郎教授が「技術者の倫理と安全性」をテーマに講演を行った。同氏は近代から現代への科学者の倫理感の変遷を述べたうえで、専門家とそれ以外の一般の人々との「双務的な関係」を築くために「説明する責任」 (専門家側) と、「賛否は別にしても理解できる能力」 (一般人側) を醸成し、相互レビューを通じて、科学技術等に付随するリスクに対応する仕組みを社会の中に作り出していくことが重要との認識を示した。


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