[原子力産業新聞] 2000年11月30日 第2065号 <3面>

[英国] BE社、上半期決算で損失

「原発の低稼働が影響」

英国のブリティッシュ・エナジー (BE) 社は8日、99/00会計年度上半期の決算を報告し、5,600万ポンド (89億円) の税引き前損失を出したものの長期的には好実績が見込めると予測していることを明らかにした。

発表によると、前年同期には5,500万ポンドの税引き前収益が上がっていたのに対して、今期は一転して損失を記録。ただし、総取り引き高は1億7,100万ポンド増加して10億8,400万ポンド (1,724億円) となっている。同社は損失が出た原因として電力価格の急落と原子力による発電電力量の低下を指摘。3年サイクルの計画停止を実施した原子炉が多かったことから、総発電量は前年同期から3ポイント減の303億kW 時に。売上げも1億800万ポンド低下して6億6,500万ポンド (1,059億円) に留まっている。ただし BE 社はこの日、ハートルプール発電所とヘイシャム1号機の運転年数を5年延長すると発表しており、減価償却費の一部削減が可能になるため年度末には税引き前収益で2,900万ポンド分が改善されるとの見方を示した。

このほか上半期は、同社が米国で出資している合弁企業のアマージェン社がオイスタークリーク原発の買収を完了。カナダではブルース原発のリース運転契約で、同社の子会社が7月にオンタリオ・パワー社と合意に達しており、今後は実質的な利益が見込めるとの見通しを明らかにしている。また、上半期の中間配当は一株あたり2.7ペンスだったが、年度末に向けた事業実績の改善とともにこれをさらに増額していくこと、原子力に関しては操業コストを3年以内に1.6ペンス/kW 時まで削減して、年間の総発電電力量は少なくとも700億kW 時を達成したいとの考えを表明した。


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