[原子力産業新聞] 2000年12月14日 第2067号 <2面>

[経団連] ITERの国内誘致で要望書

「環境・エネ両面で必要」

経済団体連合会はこのほど、国際熱核融合実験炉 (ITER) の我が国への誘致を求める要望書を取りまとめ、政府などに建議した。

要望書は、(1) 長期的な地球環境問題とエネルギー問題への対応 (2) 国際協力への意義ある貢献−の2つの視点から、我が国への ITER 誘致が必要であると訴えている。

核融合エネルギーは、豊富な資源量、低い CO2 排出、優れた安定供給性と安全性等の特長を備え、長期にわたる安定したエネルギー供給と地球環境保全の要請を同時に満たし得る革新的エネルギーとして期待されているとして、21世紀の最重要課題である地球温暖化問題、エネルギー問題の解決に向け、ITER 計画の実施に踏み切るべきであると指摘。

さらに、国際協力の観点から、わが国は科学技術創造立国を目指すことにより、国際社会の一員として資源、エネルギー、環境問題等の克服に貢献する必要があると認識したうえで、ITER は、人類が共有し得る恒久的エネルギーの確保を目指す国際協力プロジェクトであり、わが国はこれまで培ってきた研究技術開発力をもって貢献するなど、積極的かつ主導的に同プロジェクトを推進すべきであると強調している。

経団連は1995年9月に「国際熱核融合実験炉の日本誘致を求める」を取りまとめ、同年12月には経済界から構成される「国際熱核融合実験炉 (ITER) 日本誘致推進会議」、97年2月には「国際熱核融合実験炉計画推進国民会議」をそれぞれ設立し、ITER 計画の推進とわが国への誘致を求めてきた。

来年前半にも開催が予定される公式政府間協議を前に、今回あらためて ITER の誘致を要望したもの。


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