[原子力産業新聞] 2000年12月21日 第2068号 <1面>

[日本原燃] 六ヶ所施設、初の使用済み燃料搬入

燃料サイクル事業確かな一歩

青森県および六ヶ所村と日本原燃の間で、全国の原子力発電所から出た使用済み燃料の、原燃・六ヶ所再処理工場使用済み燃料貯蔵プールヘの搬入に関わる安全協定が締結されたことを受け、第1回目となる便用済み燃料の搬入が19日、実施された。

19日早朝、むつ小川原港沖合の、鉛色の空と海との間にその姿を現した輸送船「六栄丸」 (約5,000トン) は、吹きつける季節風に逆らいながらも海面を滑るように入港。みぞれまじりの冷たい雨の中、タグボートに守られるように押されつつ、港内で180度ターンをして午前7時30分、太平洋に舳先を向ける形でゆっくりと接岸した。

今回搬入された使用済み燃料は、日本原子力発電の東海第二原子力発電所 (64体、キャスク 2基に収納) および東京電力の福島第二原子力発電所 (76体、キャスク 2基) で積み込まれた使用済み燃料計140体、約24トンU。

入港した六栄丸では引き続き、午前8時すぎから青森県および六ヶ所村による立ち入り調査が開始され、放射線の漏れがないかどうかなどのチェックが実施された。およそ30分にわたる厳しいチェックの結果、全ての検査について「問題なし」との評価を受けた使用済み燃料を入れた4基のキャスクは、午前10時40分から午後1時8分にかけて、むつ小川原港の岸壁に設置された専用クレーンによる陸揚げ作業により専用輸送車への積み込み作業が行われた。

国による線量当量率などの検査を経て、午後2時32分から、貯蔵が行われる再処理工場の「使用済み燃料貯蔵プール」へ向けての輸送が開始。第1回目の使用済み燃料搬入作業は夕刻までに全てを無事に終了した。

使用済み燃料輸送の終了にあたって、竹内哲夫日本原燃社長は「今後とも、安全確保になお一層万全を期してまいるとともに、安全操業の実績を積み重ね、青森県民をはじめとする皆様からご信頼をいただけるよう、全力を傾注してまいりたい」とのコメントを発表した。

なお日本原燃では11月30日に、今回の福島第二、東海第二を含めて今年度中に女川、浜岡、伊方、川内の各発電所から、使用済み燃料計454体を受け入れる計画であることを明らかにしている。


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