[原子力産業新聞] 2000年12月21日 第2068号 <3面>

[EBRD] K2/R4への融資承認

条件付きで約2億ドル

欧州復興開発銀行 (EBRD) の理事会は7日、いくつかの条件が厳守されればウクライナで建設中のフメルニツキ2号機およびロブノ4号機を完成させる (K2/R4) 計画に2億1,500万ドルの融資を認めると発表した。

K2/R4 計画への融資は先月、EBRD のJ.ルミエール総裁自らが理事会に勧告していたもの。理事会が付した条件とは、(1) チェルノブイリ原子力発電所の永久閉鎖が確認されること (2) ウクライナの原子力規制当局に必要な独立性があり、原子力施設が西側の安全基準に従って操業されていると保証できる十分な資源を有していることが国際的な原子力規制機関によって確認されること。また、先進7か国および欧州委員会はウクライナヘの技術支援を供与するとともにウクライナ政府は原子力規制当局の独立性と必要な資源を保証する (3) 国際通貨基金 (IMF) が拡大信用供与制度によるウクライナヘの融資を再開 (4) ほかの機関が同計画への基金提供を約束すること -- となっている。

EBRD ではさらに、ウクライナの原子力発電会社であるエネルゴアトムに対する融資では、建設中の新規ユニットのほか稼働中の13基についても安全レベルの改善を要求。配電会社の民営化や電気料金の集金率向上など国内電力部門を改革することも同国政府に要求している。

今回の融資承認にあたっては、EBRD は出資国である59か国および欧州委員会らによる票決を実施した。賛成票が63.7%だったのに対して反対票は7.8%、棄権票は28.5%だった。公式記録には棄権票を含めないため、最終的な賛成意見が89.05%に達する一方、反対意見は10.95%に留まっている。

同計画で必要とされる総額14億8,000万ドルは EBRD からの融資のほか、欧州原子力共同体 (ユーラトム) の5億8,500万ドル、輸出信用機関の3億4,830万ドル、ロシアからの1億2,370万ドルなどで賄われる。


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