[原子力産業新聞] 2000年12月21日 第2068号 <3面>

[ウクライナ] 独立の原子力規制機関を新設へ

国際チェルノブイリ・センターが7日付けで伝えたところによると、ウクライナのL.クチマ大統領はこのほど、政府とは独立の立場で活動する新たな原子力規制機関の創設を指示した。同国の原子力当局は現在、環境省の管轄下にある。新機関の設置は過去8年以上の間に散発的に試みられた原子力産業および原子力規制システムの再編の一環を成すもので、西側諸国による同国原子力部門に対する実質的な財政支援の主な前提条件の1つとなっていた。また、チェルノブイリ発電所の永久閉鎖を15日に控えた5日の議会ヒアリングでも「独立の原子力規制機関が必要」とする見解が数多く提示されていた。

このような見解を受けて、クチマ大統領は今回、「ウクライナ国家原子力規制委員会」の創設を指示する大統領令を公布。新委員会は原子力規制を担当していた既存の2機関と環境・資源省および国家原子力安全検査局からすべての権限を委譲される予定だ。クチマ大統領は今回の展開を、「原子力安全や使用済み燃料など放射性廃棄物管理の安全性に関する国際条約の要求事項に歩調を合わせたもの」と説明しており、ウクライナ政府は今後、新委員会の人員配置や物的および法的な支援、資金源などについて1か月以内に法令案を作成することになっている。


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