[原子力産業新聞] 2001年1月11日 第2070号 <1面>

[省庁再編] 新原子力行政がスタート

文部科学省経済産業省両輪に政策遂行

中央省庁の再編に伴う1府12省庁体制が6日発足し、原子力行政に携わる組織として、新たに内閣府、文部科学省、経済産業省等が産声をあげた。同日午前に行われた初閣議の後、関係閣僚はそれぞれ新省の発足式や記者会見に臨み、新時代の行政に意欲的に取組む姿勢を示した。また、原子力のエネルギー利用に関わる施設の安全規制を一元的に所管する原子力安全・保安院もこの日発足し、業務をスタートさせた。形が整い、今後は行政の質が問われることとなる。

主に原子力の科学研究分野を担当する文部科学省の町村信孝大臣は、6日午前の初閣議後、同省発足にあたっての記者会見に臨んだ。その中で教育改革と科学技術基本計画の策定が当面の大きな課題だとの認識を示し、「基本計画策定にあたっては、笹川科学技術政策担当大臣と連携を取りながら進めていきたい」と語った。

さらに、文部省と科学技術庁の統合による新省誕生のメリットを質問されたのに対し、「従来の科学技術庁関連の研究機関と大学の研究所が上手に融合され、人的・財政的に有効利用が図られれば、長期的には我が国の科学技術の発展に寄与していくだろう」と答えるとともに、教育や科学の充実は21世紀の発展に向けた投資として極めて重要だとの考えを示した。

文部科学省には原子力関連部局として、3局に4つの課 (1) 科学技術・学術政策局原子力安全課 (保障措置、研究炉の安全確保、放射能監視等を担当) (2) 研究振興局量子放射線研究課 (放射線・RI 等の利用、廃棄物処理処分、原研、放医研等を所管) (3) 研究開発局原子力課 (科学技術に関する原子力の基本的な政策・企画、国際協力、核融合研究等を担当) (4) 同局核燃料サイクル研究開発課 ---- が置かれた。


経済産業省も6日午後、発足式が行われた。平沼赳夫経済産業大臣は会見の中で、環境・エネルギーの制約の問題について、「経済にプラスのエンジンとして機能させることは可能」とし、「環境・エネルギー制約への挑戦が市場メカニズムを通じて競争的に行われ、企業間、産業間、エネルギー間の新しい競争を成長ダイナミズムに結びつける有力な方策のひとつとして、総合的な検討を進めることに挑戦したい」とした。

同省は、大臣官房および経済産業政策、通商政策、貿易経済協力、産業技術環境、製造産業、商務情報政策の6局と、地域経済産業、商務流通の2グループが設置され、加えて外局の資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁の3庁で構成される。原子力については、従来通り資源エネルギー庁が担当するが、新たに安全規制のための「特別の機関」として、「原子力安全・保安院」が設置された。

資源エネルギー庁には長官官房および、「省エネルギー・新エネルギー」、「資源・燃料」、「電力・ガス事業」の3部が設置された。

電気、ガス、熱の安定的かつ効率的な供給の確保および電源開発、原子力政策・技術開発、核燃料物質などに関する業務などを担当する「電力・ガス事業部」には政策、電力市場整備、ガス市場整備、電力基盤整備、原子力政策、核燃料サイクル産業の6課が設けられた。このうち電力基盤整備課は、電源開発に関する基本的政策の企画・立案・推進、電力供給計画を担当し、原子力政策課は (1) 原子力施策に関すること (2) 技術開発 (3) 原子力にかかわる廃棄の事業の発達、改善および調整 (4) 核燃料サイクル開発機構の組織および運営一般に関すること ---- をつかさどる。核燃料サイクル産業課は、核原料物質および核原料物質の安定的かつ効率的な確保や、エネルギーとしての利用に関する核原料物質および核燃料物質に係わる技術開発を担当する。

一方、新たに発足した原子力安全・保安院には、企画調整、原子力保安管理、原子力発電安全審査、原子力発電検査、新型炉規制、核燃料サイクル規制、放射性廃棄物規制、原子力防災、電力安全、ガス安全、保安、液化石油ガス保安、鉱山保安、石炭保安の14課が設置。職員数は全体で633名、民間からも55名が任用された。

また、原子力施設等で事故が起こった際の防災対策の拠点として、保安院内に「緊急時対応センター」が置かれた。緊急時における原子力発電所からの事故情報の伝達や表示、解析予測を行う「緊急時対策支援システム」や、放射性物質が放出された場合の施設周辺の予測線量当量を計算する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」の端末、オフサイトセンター等との連絡システムなど、十分な体制整備を図っている。


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