[原子力産業新聞] 2001年1月25日 第2072号 <1面>

[原産] 年次大会、燃料サイクル軸に青森で開催

六ヶ所村でもセッション

4月24日の登録・レセプションを皮切りに27日まで青森で行われる第34回原産年次大会の準備委員会 (委員長・吉田豊弘前大学学長) 第2回会合が19日、青森市内で開かれ、大会のテーマやプログラム案の概要が明らかになった。

今回は、六ヶ所村での核燃料サイクル事業の進展とともに、東通村や大間町で原子力発電所の新設が進むなど、今後我が国の原子力の中枢になろうとしている青森県での開催。地元関係者も大会に強い関心を示している。

実質初日となる4月25日の開会セッションでは、木村守男青森県知事のほかM.エルバラダイ IAEA 事務局長、ピューリツァー賞作家のR.ローズ氏らの講演が予定されている。

同日午後は、地球環境の視点から原子力の必要性を考えるセッションで、英国ニューキャッスル大学名誉教授のI.フェルズ氏の基調講演を受けて、パネル討論が行われる。26日には、日本・英国・フランスの原子燃料サイクル施設の立地する3地域の代表者が燃料リサイクルの意義などについて意見を交わす。今大会の大きな特徴として、26日午後には六ヶ所村に会場を移してセッションを持つこととなった。各国の再処理施設に焦点をあて、その建設から運転に至る経験を発表することで、特に青森県民に再処理に対する理解を深めてもらおうというのが狙い。サイクル事業が地域との共生にどのような意味を持つのかをめぐってもパネル討論が企画されているほか、村民との意見交換も行う。

大会ではこのほか、海外の電力自由化の中で再評価されはじめた原子力発電や、高レベル廃棄物処分の推進方策も取り上げる。

また、恒例となっている市民の意見交換会も25日夜に青森市内で催される予定だ。

詳細プログラムや参加要領などは、3月に案内されることとなっている。


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