[原子力産業新聞] 2001年2月15日 第2075号 <3面>

[フィンランド] 新規炉の安全性、保証

建設プランを予備評価

フィンランドの原子力規制当局 (STUK) は8日、ティオリスーデン・ボイマ (TVO) 社が計画している同国で5基目の原子炉に関して、「国の安全性要求項目に沿って建設されるだろう」との予備評価を下したことを明らかにした。

TVO は昨年11月、新規原子炉建設のための最初の許認可手続きとなる政府の原則決定を求める申請書を国家審議会に正式に提出していた。STUK は TVO が申請の中で提示したいくつかの建設オプションを審査し、安全基準を十分満たしているとの予備的な結論に達したもの。STUK によれば、新規原子炉計画は同国の過去30年にわたる原子炉の運転経験を基礎としているため、どのオプションを取っても既存の2つ (オルキルオト、ロビーサ) の原子力発電所より安全上、優れたものになるとの認識を表明している。もちろん、すべてのオプションが安全要求項目を完壁に満たしているわけではないが、今後、認可手続きが進展していけば変更は可能との見方を示している。

STUK はまた、「フィンランドはこの計画の遂行に必要な能力と人材を有している」と指摘。既存の2つの原子力発電所は今後少なくとも25年の炉寿命の間、熟練した人材と独自のノウハウを必要としているが、新規炉はこれらを次世代の炉に変える一助にもなるはずだと強調した。

STUK はさらに、「オルキルオト発電所 (各87万kW、BWR 2基) はターンキー契約で建設されたが、現在では同様の形態で包括的な責任を担う供給業者がいないこともあり、顧客自身がノウハウを身につけることは重要」と言明。新規炉の全運転期間を通じて安全性に全面的に責任を負えるよう、TVO は建設段階から組織力とノウハウを養っていくべきだとの認識を明らかにした。


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