[原子力産業新聞] 2001年3月1日 第2077号 <1面>

[総合エネ調] 保安部会、基盤充実にむけ検討

総合資源エネルギー調査会の第2回原子力安全・保安部会 (部会長・近藤駿介東大大学院教授) が2月26日に開かれ、国、電力、メーカーなどから原子力発電施設、核燃料取扱い施設などに対する安全規制や安全確保への取組み状況を聞いたうえで、安全基盤の充実にむけた課題について審議を行った。

説明の後、各委員から意見が出され、そのなかで、今後の規制等のあり方に関して「自由化の問題などを考えると、長期的に人材などの面で質・量ともに確保することは困難になることも考えられるのではないか。他分野との人的な交流を考えるしかない。規制にあたっても原子力と他の分野の壁を低くするように技術体系を見直したり、規格や標準を他分野と統合していくことも考える必要があるのではないか」とする意見が出された。さらに「信頼性の確保に要するコストの問題については、実際にどの程度かかるか、事業者がそれをどう考えているのか、また国は (信頼性とコストについて) どうバランスをとるべきか、考えをまとめていただきたい」などの要望も出された。

こうした意見を受け、原子力安全保安院の佐々木院長は、「特に安全とコスト、規制の高度化、人材の問題などとともに、国際的な原子力産業界の動きをみていく必要があるし、規格などについても原子力の安全基盤を維持するためにどうあるべきかなどさまざまな問題を提起していただいた」としながら各課題への議論をさらに深めていく必要があるとの見解を示した。

同部会は次回、安全性研究などのテーマをとりあげることにしており、3月下旬にも開催する予定。


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