[原子力産業新聞] 2001年3月1日 第2077号 <3面>

[ロシア] 高速炉の建設再開へ

原子力省と地元が合意

ロシア原子力学会が2月13日付けで伝えたところによると、ロシア原子力省のY.アダモフ大臣とスヴェドロフスク地方のE.ロッセル知事はこのほど、出力80万kW の BN-800 型高速炉となるベロヤルスク原子力発電所4号機の建設を年内にも再開することで合意した。

スヴェドロフスク地方のベロヤルスクでは、97年にフランスのスーパーフェニックスが閉鎖して以来世界で唯一の商業規模の高速炉となったベロヤルスク3号機 (出力60万kW、BN-600) が稼働中。同じサイトで建設作業が中断されていた同4号機はすでに専門家による審査をパスしており、当面確保された5億7,000万ルーブル (約25億円) の建設費を元に2009年の竣工を目指す予定だという。完成すれば熱エネルギー供給ほかに核兵器級プルトニウムの燃焼にも役立てられるとしている。

ベロヤルスク発電所のO.サラエフ所長は同計画の復活を「国家経済の再生を暗示するもの」と指摘。同炉の設計は今までに建設されたどの原子力施設とも異なり、安全性や環境への影響の面で非常に優れた原子炉になるとの見方を示した。また、同炉がロシアにおけるエネルギー供給を強力に保障するだけでなく、地元経済に対する重要な投資ともなる点を強調している。


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