[原子力産業新聞] 2001年3月1日 第2077号 <3面>

[英国] BNFL、事業戦略でセラフィールドMOX工場の本格操業開始に期待

2月15日付けで伝えられたところによると英原子燃料会社 (BNFL) のN.アスキュー最高経営責任者は同グループ内の広報誌である BNFL ワールド誌で「今年は当社にとって重要な決断が下される年となるだろう」と述べ、セラフィールド MOX 工場 (SMP) の全面的な操業開始に強い期待を滲ませた。

同氏によれば、BNFL は今年こそ最大株主である英国政府と将来の経営戦略に関する合意にこぎ着け、SMP で必要とされている明確な判断が得られるよう全力を傾けていきたいとしている。また、SMP の本格操業に続くステップとしてはデータ改ざん事件で停止中の MOX 実証施設 (MDF) の操業再開が期待されるとの認識を明示。完全な復活を目指した政策への転換を目標に集中していくだけだと強調した。

一方、六フッ化ウラン生産工場の操業について BNFL は、2006年3月まで続ける予定であるものの、市場での売買はすでに停止したことを認めた。これは昨年5月に公表した、6基のマグノックス炉を2010年までに閉鎖し、同炉専用の燃料生産施設を2005年以降停止するという「マグノックス操業計画」に沿った判断であると説明している。

ただし、マグノックス炉用燃料と6フッ化ウランの製造ラインは一部の設備を共有しているため、燃料製造を停止した後もウランの転換を続けるのは経済的ではない。このため、スプリングフィールド施設におけるウラン事業を2006年まで保障する目的で、BNFL のウラン転換設備をカナダのウラン生産業者であるカメコ社に売却する可能性があることも示唆した。


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