[原子力産業新聞] 2001年3月8日 第2078号 <1面>

[ITER] 最終設計案を国内検討

コスト半減など技術評価へ

国際熱核融合実験炉 (ITER) の最終設計報告書案が、2月27日と28日にカナダのトロントで開催された ITER 理事会に提出された。これを受け、ITER 計画参加極として我が国でも同設計報告書案を検討・評価したうえで、ITER 所長へ意見を送ることが決まった。各極からの評価を踏まえ、今年7月には ITER の工学設計活動 (EDA) が完了することになる。

この設計は、1998年時点での ITER の建設コスト半減化を目指し工学設計活動を延長して行う中で、2000年1月に「ITER-FEAT (コンパクト ITER) の概要設計報告書」として承認された設計に基づきその詳細かが進められてきたもの。

今回まとめられた報告書案は、「プラント設計仕様」「プラント記述図書」「設計要求と指針1」「設計要求と指針2」で構成されている。ITER の技術的目標は、(1) 核融合エネルギー倍増率 (Q) が10以上のプラズマを実証する (2) 非電磁誘導の電流駆動により定常運転を実証する (3) ITER を建設・運転することで核融合炉工学技術の総合的実証を行う (4) 原型炉用のブランケットモジュール、高熱負荷機器等の試験を行う−などとされている。

また、建設コストを2分の1に低減することを目指した設計活動の結果として、プラズマ主半径6.2メートル、プラズマ電流15メガアンペア、核融合出力500メガワット等の仕様も最終設計案に示されている。実験運転計画については、最初の1〜3年間は水素プラズマでの運転、5〜10年目では重水素・トリチウムプラズマ実験運転を行うなどとされている。

ITER 最終設計報告書案が示されたことを踏まえ、6日に開かれた原子力委員会核融合会議では、我が国としての国内評価を行っていくことを了承。同会議の下部組織の ITER/EDA 技術部会が、評価検討を実施し、今月末までに検討結果を整理。これを受けたかたちで核融合会議が国内評価書の作成を行うこととした。


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