[原子力産業新聞] 2001年3月8日 第2078号 <3面>

[仏/独] 安全当局、EPR計画に肯定的

初号機発注準備整う

2月21日にフラマトム ANP が欧州原子力学会の情報ネットワークに伝えたところによると、仏独の原子力安全当局は、両国で共同開発している欧州加圧水型炉 (EPR) について肯定的な見解を示していることがわかった。

同社の報道担当者の話では、両国の安全当局局長らはすでに昨年11月に同様の認識を示していたものの、それらは公けに文書で発表されたものではなかった。しかし、事が現在に至り、EPR 計画に関する準備はほとんどすべて整った状態だと同社は明言。同社としてはフランスが2003年頃までに初号機を発注してくれることを期待しており、パンフレットなど紙に書かれた情報の配付を含めた一般への PR 運動も復活させる考えだという。

フラマトム ANP のこうした動きは、フランス電力公社 (EDF) のY.デスカタ副総裁が2月14日付けの「レ・ゼコー」紙で EPR 計画の支持を表明したのに呼応したものと受け止められている。記事の中で同副総裁は、「EDF は既存原子炉の最も古いものが更新時期を迎える2015年までには EPR の実証炉が是非とも必要と考えている」とコメントしていた。

仏政府の審査も同計画を強力に後押しする姿勢を示しており、99年には議会の科学技術委員会が EDF による初号機発注を政府が支援すべきだと勧告する報告書を公表している。ただし、L.ジョスパン首相は昨年、議会に対して「適切な時期が来たら将来のエネルギー・オプションに関する公開審議を開催す」と約束したに留まっており、実際には2002年の選挙前にこの件に関する政治的な決定が下されることはないとの見方が有力だ。


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