[原子力産業新聞] 2001年3月29日 第2081号 <1面>

[東京電力] 柏崎刈羽発電所、MOX燃料を搬入

集合体28基、国が品質検査へ

東京電力が柏崎刈羽原子力発電所3号機 (BWR、110万kW) で使用を計画しているウラン・プルトニウム混合酸化物 (MOX) 燃料の搬入作業が24日に実施され、3基のキャスクに収納された燃料集合体28体が無事、同発電所のキャスク保管庫に運び込まれた。国内の原子力発電所に MOX 燃料が運びこまれるのは、東京電力・福島第一 (1999年9月) および関西電力・高浜 (同年10月) 以来3施設目のこと。今後は国の検査を経て、計画の実施が正式に許可される。

同日、柏崎刈羽原子力発電所沖に姿を現した英国籍の専用輸送船「パシフィック・ピンテール号 (5,271トン) は、朝焼けに照らされながら数多くの警備艇の見守る中、穏やかな早春の日本海を滑るように柏崎刈羽原子力発電所の専用港へ入港。歓迎のフランス国歌の流れる桟橋に午前6時過ぎ、その巨体を接岸し、2か月を越える長旅を終えた。

今回到着したのは、ベルギーのベルゴニュークリア社で加工された MOX 燃料集合体28基が収められたキャスク3基および、「ダミー (内容物なし) 」のキャス1基の計4基。

これらは引き続き県職員などによる、キャスク表面の放射線線量計測などが実施され、昼前から岸壁のクレーンによる陸揚げ作業が開始された。同作業は午後1時半までに終了。無事陸揚げされ、専用トレーラーに積載されたキャスクは、約200m離れたキャスク保管庫まで陸送され、午後4時までに全ての作業を終了した。

なお今回搬入された MOX 燃料は、3月中に3号機の燃料プールへ運ばれる予定だ。


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