[原子力産業新聞] 2001年4月12日 第2083号 <1面>

[上関原発] 電源開発分科会に上関計画を上程へ

山口県知事に意見照会、「総合的判断して結論」

中国電力が計画している上関原子力発電所1・2号機建設計画について、経済産業省・資源エネルギー庁は6日、5月を目処に開催する第1回総合資源エネルギー調査会電源開発分科会に上程する方針を決め、関係省庁の連絡会議で説明するとともに、同日、山口県の二井関成知事に対し、今月25日を期限として、知事の意見を回答するよう求めた。電源開発分科会は従来の電源開発調整審議会に代わるもので、分科会で認証されれば国の電源開発基本計画に組み入れられることから、上関原子力発電所建設計画は実現に向け、大きな一歩を踏み出すことになる。

原子力発電所建設の手続きでは、電源開発分科会に上程し、国の電源開発基本計画に乗せることが定められている。上程には立地点の属する自治体の知事の同意を必要とするが、エネ庁では公開ヒアリングや環境アセスメントが終了したことや、地元の上関町は建設に前向きな姿勢を見せていること、さらには漁業補償契約が締結されたことなどを総合的に判断。知事への意見照会を行うこととした。

意見を求められた二井知事は同日の会見で、「用地の問題が残っている」としながらも、発電所の安全性や、地域振興、地元の状況などといった判断材料を総合的に検討し、結論を出す方針であることを明らかにした。

上関原子力発電所は1、2号機ともに、中国電力初の改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR) で、出力は137万3,000kW となる計画。運開は1号機2011年、2号機2014年を、それぞれ予定している。昨年10月31日には第一次公開ヒアリングが開催されている。今回、電源開発分科会に上程されれば、新規立地点への建設計画としては一昨年8月、当時の電源開発調整審議会に、電源開発の大間原子力発電所建設計画が上程されて以来のこととなる。


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