[原子力産業新聞] 2001年4月26日 第2085号 <6面>

[日立製作所] X線CTスキャン事業を拡充

非破壊画像データに付加価値

日立製作所の電力・電機グループは、製品や物品を破壊することなく工業製品の形状測定や鋳造品、鉄筋コンクリートの内部検査、文化財の観察などを行う「産業用X線 CT デジタルスキャニングサービス」を18日から開始した。

このサービスは、インターネットを通して注文を受け、世界最高水準の産業用X線 CT を用いて製品や物品のデジタルスキャニングを行い、断面画像を提供するほか、撮影したデータを三次元データに加工するための各種ソフトウェアサービスを行うもの。インターネットで直接注文を受けることで、コストや時間を削減し、顧客へ迅速なサービスを提供する。

X線 CT 装置による断面撮影は、非破壊、非接触で物体内部の形状や密度に関する詳細な情報を得られることから、工業製品の内部形状測定や鋳造部品の巣の形態観測、鉄筋コンクリート内の鉄筋の腐食や断線の検査、化石や埋蔵文化財の調査など、外部からは見られない内部の状態を観察・分析する手段として有効とされる。

同社では、1998年からX線 CT 装置の販売に加え、非破壊撮像サービス事業を開始しており、対象物のデジタルスキャニングやデータ解析のコンサルティングを行ってきている。今回、従来のサービスに加えて、撮像した物体の内部情報を含む膨大なビットマップデータの立体映像化をはじめ、そのデータを用いた高精度な寸法計測など、製品や物品の撮像したデータをさらに高度に加工できる数々のソフトウェアサービスを提供する。また、透視画像や画像プリント、重量物の撮像、特急撮像にも対応するという。サービス料金は、基本サービスのみの利用・5ショット撮影した場合で、20万円から。同サービスのホームページアドレスは、(http://wapex02.hitachi.hitachi.co.jp/x-ct/index.htm)。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.