[原子力産業新聞] 2001年5月17日 第2087号 <2面>

[総合資源エネ調] エネルギーセキュリティー、原子力を有力な技術選択肢に

中長期対応として

総合資源エネルギー調査会・総合部会のエネルギーセキュリティ・ワーキンググループ (WG) が15日、エネルギーのコスト変動や需給情勢など、めまぐるしい情勢変化をみせるセキュリティ面の環境変化への対応を強化するため、情報収集・分析体制の強化や中東産油国との関係強化、また中長期的に原子力や天然ガスなど石油代替エネルギーに転換するなどの政策が必要とする報告案を審議、大筋で了承した。現在、同調査会が進めている総合エネルギー政策の検討にセキュリティ面から同 WG が打ち出した諸課題が反映される。

この日、同 WG がまとめた報告には、エネルギー源の供給地域・輸送経路を経てわが国の水際までの間、セキュリティ上にどのような課題とその対応策が考えられるかについて広範な論点が盛り込まれた。特に国際石油市場で産油国の余剰生産能力の縮小、欧米等消費国の在庫幅圧縮など需給面で変動幅 (ボラティリティー) が高まる傾向がみられること。また一方ではアジア地域での原油輸入の域外依存度が高まる見通しもあり、調達先多様化によるリスク分散をはかる必要があるとしている。

具体的には、原油等エネルギー供給リスクヘの対応として国際エネルギー市場や関連する国際動向などの情報収集能力を高め、分析する体制の一層の強化にむけて政府全体として取り組む必要性を強調したほか、中東産油国などとの関係強化に対して具体的な協力の枠組み構築の重要性を示した。

加えて、中長期的な課題として石油代替エネルギーへのシフトをはかる必要性が示され、原子力や天然ガスヘのシフトに取り組むことが必要としている。特に燃料の供給安定性、再処理等の燃料サイクル分野におけるセキュリティ上の優位性を持つ原子力を「有力な技術選択肢」として位置づけている。

原子力開発にあたっては内外の理解を得るとともに、安全実績の積み重ねと核燃料サイクル確立にむけた着実な取り組みを求め、利用促進のための環境整備が重要であるとしている。

また、今後経済成長によってエネルギー需要の伸びが見込まれるアジア地域のエネルギーセキュリティ対応として天然ガス等の域内資源有効利用、エネルギー利用効率向上にむけて APEC 等の多国間枠組みや二国間枠組みを活用しながら域内での認識の共有化、協力案件の実施に取り組む必要性を示した。


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