[原子力産業新聞] 2001年5月24日 第2088号 <1面>

[IEA閣僚理事会] 原子力の利用推進で合意

最適なエネ構造追求

15、16日の両日、パリで開催された第18回国際エネルギー機関 (IEA) 閣僚理事会で、エネルギーの安全保障や持続可能な開発への課題などの議題が論議され、原子力利用の推進を含めた最適なエネルギーミックス追求の必要性を盛り込んだ共同コミュニケが発表され、閉幕した。ピエレ仏産業担当相が議長をつとめ、日本から平沼越夫経済産業相らが出席した。


16日に行われた閣僚理事会会合で「エネルギー安全保障」、「進化するエネルギー市場」、「持続可能な開発という課題への対処」の3つの議題について議論し、コミュニケを採択した。エネルギーの安全保障面に加え持続可能な開発を支えるエネルギー供給確保にむけ「エネルギーの種類や供給源の双方の面で、我々のエネルギー・システムの継続的な多様化を支持する」との考え方が示され、「国家の置かれた状況やその政策が、我々の集団的エネルギー安全保障、経済成長、及び持続可能な開発を達成する課題への取り組みに貢献するために必要な燃料ミックスを決定する」との基本認識が示された。その上で、「各国が、石油、天然ガス、石炭、原子力、あるいは再生可能エネルギーの、それぞれが最も適切と考える燃料ミックスを決定することを認識する」とし、原子力利用の推進を含め最適なエネルギーミックスを追求する必要性が打ち出された。

会合のなかで、日本からエネルギー安全保障のための取り組みとして緊急時対応システムやエネルギー源多様化、エネルギー効率化、省エネ、非 IEA 途上国との協力などを問題提起されたほか、今後のエネルギー市場の課題についても、エネルギー部門の自由化のメリットを確認した上で、エネルギー安全保障や環境問題への対応にむけて政府の役割が重要であり、3E (経済成長、エネルギー安全保障、環境保全) を達成するために適切な制度設計の下で市場改革を進めることが重要であるとの考え方が示された。

会合での議論を受けてとりまとめられたコミュニケには、こうしたエネルギー源多様化や省エネルギー促進など、環境と持続可能な成長との整合性あるエネルギー開発にむけて、最適なエネルギー源の組み合わせを考えるべきとの認識が明確に盛り込まれた。環境面からもエネルギー安全保障面からも優位性を有する原子力利用がその有力な選択肢として位置づけられた。

17日に米国ブッシュ政権が発表した新エネルギー政策にも原子力利用を含めて同国のエネルギー供給力を強化する方針が打ち出されており、環境対応という新たな課題に対して技術的可能性を秘めた原子力利用が新世紀のエネルギー開発のなかで不可欠な役割を果たす、との現実的見方が世界的にも改めてクローズアップされた格好だ。


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