[原子力産業新聞] 2001年5月24日 第2088号 <1面>

[電源開発分科会] 2001年度基本計画を了承

上関1、2号機、実現にむけ前進

総合資源エネルギー調査会の第1回電源開発分科会が、16日に開催され、2001年度の電源開発基本計画を了承した。このなかで、中国電力が建設を計画している上関原子力発電所1、2号機 (各ABWR、出力137万3,000kW) を、2001年度の電源開発基本計画へ組み入れることが了承された。新規の原子力発電所が着手されるのは、99年の電源開発・大間原子力発電所建設計画以来、約2年ぶりのこと。これにより、上関原子力発電所1、2号機建設計画は、実現に向けて新たなフェーズに入ることになる。

「電力の長期安定供給の確保を図るべく作成」された2001年度電源開発基本計画は、2010年度までの10年間に、最大電力が2000年度の約1億6,985万kW から約1億9,955万kW に上昇するものと見込み、これに対して2010年度までに約4,907万kW の発電施設を新たに運開させる必要性があると指摘。またこの4,907万kW のうち、約3,459万kW は、これまでに電源開発基本計画に組み入れられており、さらに549万kW は卸供給事業者から供給されることから、これらを除いた899万kW の電源を「今年度以降に電源開発基本計画に組み入れ、2010年度までに運開させる必要がある」としている。

今回、唯一電源開発基本計画への組み入れが了承された上関原子力発電所1、2号機は、同社初の炉型となる改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR) で、着工は1号機が2007年度、2号機が2010年度を予定しており、運開は1号機が2012年度、2号機が2015年度となる計画。昨年10月に第一次公開ヒアリングが開催された後、4月6日に資源エネルギー庁は、同計画を電源開発分科会に上程する旨を関係省庁連絡会で説明するとともに、二井開成山口県知事に対して、計画についての意見照会を実施。これを受けた二井知事は同月23日、安全の確保などを条件に同意を表明していた。

今回、電源開発分科会が、電源開発基本計画組み入れを了承したことを受けて、中国電力は「安全性の確保を最優先に、地域の振興・発展に貢献できる発電所づくりに全力を傾注する所存なので、より一層のご理解、ご協力を賜るようお願い申し上げる」とのコメントを発表している。


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