[原子力産業新聞] 2001年5月31日 第2089号 <2面>

[CTBTO] 積極的に人材を募集

「日本人職員少ない」

包括的核実験禁止条約機関 (CTBTO) 暫定技術事務局のM.ハセナウ人事課長が21日から25日まで来日し、各所で同機関の活動について紹介し、我が国からの職員採用の活性化に向け、環境作りを図った。

暫定事務局は、包括的核実験禁止条約 (CTBT) が発効して正式に同条約機関が設立されるまでの間、条約の執行に向けた準備を目的として、オーストリアのウィーンに設けられた。今年3月現在、同条約は160か国が署名している。発効に必要と定められた44か国のうち、現在31か国が批准している。

CTBTO 暫定事務局は「国際監視センター」「国際データセンター」「現地査察局」の3つの技術部門を有している。「国際監視センター」に属する観測所は世界で321か所を設置することになっていて、我が国でも高崎市と沖縄に置くことが決まっている。こうした施設で、地震波の観測や放射性核種のモニタリングを実施する。観測で得られたデータを解析した結果に基づいて、「現地査察局」の職員が各地で詳細な検証を行うわけだが、現在、同局次長として我が国から高野誠氏が派遣されている。

24日には、ハセナウ氏が高野氏とともに原産会議を訪れ、CTBTO について関係者を前に説明した。

「IAEA を補完する役割を負っていると考えてほしい」と語る同氏は、特に人事担当責任者として、「現在 CTBTO 事務局にいる約260名の職員のうち日本人スタッフは5名だ」と、日本人職員の少なさを指摘。昨年、各国から4000人が事務局職員募集に応募した中で日本からは24人の応募しかなかったことを明らかにした上で、今回の来日で我が国の関係者の CTBTO に対する理解を深めてもらい、積極的に職員募集にチャレンジしてもらいたいと訴えた。

同事務局の詳細はホームページ http://www.ctbto.org/ に掲載されている。


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